
ボトルはどこが速い?AeroCoach の 2026 年・2020 年試験
まず現代ロード車の風洞・ベロドローム、次に TT 車の実走データ
2026 年試験の丸ボトルと空力ボトル。 Source: AeroCoach — Road bike aero bottle testing (2026).
AeroCoach の二つの試験は、ライダー、フレーム、形状、配置で結果が変わることを示します。2026 年と 2020 年は条件を分けて読みます。
一本のボトルがほぼ中立でも、二本構成が大きく遅くなることがあります。本数だけでなく、配置、形状、フレームとの関係が重要です。AeroCoach は 2026 年に空力ロード車、2020 年に TT 車のデータを公開しました。新しい 2026 年の風洞・ベロドローム試験を先に、次に 2020 年のトライアスロン/TT 車のベロドローム試験を見ます。ライダーと車両が違うため、直接の同条件比較ではありません。
数値と元画像は AeroCoach のもので、RSTRI の試験ではありません。画像内の表記、数値、ロゴを保ち、各図に出典を示します。二つの原文:
https://aero-coach.co.uk/road-bike-aero-bottle-testing ↗
https://www.aero-coach.co.uk/water-bottle-testing ↗
2026 年:現代ロード車の風洞・ベロドローム試験
Xavier 氏はサイズ 56 の Cannondale SystemSix に乗りました。AeroCoach は複数ヨー角の風洞とベロドロームで、500 ml Trek RSL Aero と通常の 650 ml 丸ボトルをダウンチューブ、シートチューブ、または両方に装着して比較しました。以下の差は 45 km/h での値です。CdA は抗力係数と前面投影面積の積で、システムの空気抵抗を比べる指標です。
これは特定のライダー、空力ロード車、車輪とタイヤによる試験であり、TT 車にそのまま使える保証ではありません。一本のときはダウンチューブのボトルをできるだけ低く、二本のときは高く装着した点にも注意してください。
四つの構成
ボトルなし、またはほぼ同等だった空力ボトル一本を基準として、45 km/h での結果は次の通りです。
- Trek RSL Aero 一本を低いダウンチューブに装着:約 0.1 W 差で測定誤差内。
- 650 ml の丸ボトル一本を低いダウンチューブに装着:約 +3.4 W。
- Trek RSL Aero 二本をダウンチューブとシートチューブに装着:約 +4.8 W。
- 丸ボトル二本:約 +12.9 W。丸ボトル一本より約 9.5 W 大きい値です。
AeroCoach は 35 km/h 程度なら差は 45 km/h の約半分になると説明しています。誰にでも共通する「一本当たりの損失」はありません。

空力形状とフレームの相性
SystemSix のダウンチューブ幅は約 48 mm。Trek RSL Aero はキャップ接合部で約 50 mm、最大幅約 61.5 mm。丸ボトルは直径約 74 mm で、長さ方向にわたりチューブより幅広でした。AeroCoach は、細長い空力ボトルがこのフレームによく合ったと解釈しています。ボトルと背後のフレームを切り離して評価できません。

二本目だけの影響ではない
丸ボトル二本は一本より約 9.5 W 遅く、空力ボトルも二本では明らかに遅くなりました。ただし差のすべてを「二本目そのもの」のせいにはできません。二本のときダウンチューブのボトル位置も高く、相互の気流も変わるため、本数、相互作用、取付高さが同時に変化しています。
追加容量が自分の完成形でどれだけ必要かを考えましょう。短距離では二本不要かもしれませんが、長距離では補給の確実さが優先です。別々のワット数を足してレース構成を予測しないことが大切です。
2020 年:トライアスロン/TT 車のベロドローム試験
Jessica 氏は Canyon Speedmax CF SLX の TT 車に乗り、AeroCoach は Garmin Track Aero System を使ってベロドロームでボトルなしと各配置を比べました。以下の差はこの人、車両、姿勢に限られます。CdA は抗力係数と前面投影面積の積で、同条件なら小さいほど空気抵抗が小さい目安になります。BTA は前腕間、TT はタイムトライアルを指します。
500 ml の丸いボトルを四箇所で比較
ボトルなしを基準とした AeroCoach の結果です。
- ダウンチューブ:40 km/h で +5.0 W、30 km/h で +2.1 W。
- シートチューブ:40 km/h で +3.6 W、30 km/h で +1.6 W。
- BTA:40 km/h で +1.2 W、30 km/h で +0.5 W。
- サドル後方:40 km/h で +0.7 W、30 km/h で +0.3 W。
Ironman のバイク区間を 5 時間 30 分、約 32.7 km/h とする例では、ダウンチューブで約 2 分 05 秒、シートチューブで約 1 分 30 秒、後方で約 20 秒の差を AeroCoach は推定しています。競技時間を保証する値ではありません。比較的整った気流を受けるダウンチューブに対し、後方のボトルは身体の乱した気流の中にあると説明しています。




BTA が +1.2 W だから無価値とは言えません。見えて手の届く位置なら Jessica 氏は飲みやすいかもしれません。AeroCoach は前腕が近いライダーでは BTA が働きやすいとも指摘します。空力と補給のしやすさを一緒に考えます。
大きな一本か、小さな二本か
900 ml の丸いボトルは 40 km/h 時、ダウンチューブで +8.2 W、サドル後方で +2.5 W。Jessica 氏の前腕間には収まりませんでした。AeroCoach は別々に測った 500 ml BTA の +1.2 W と後方の +0.7 W を足し、合計 1000 ml で推定 +1.9 W、900 ml 後方の +2.5 W と比較しています。

+1.9 W は独立した試験の和であり、二本を同時に装着した再測定値ではありません。前方のボトルが後方の気流を変える可能性があるため、別々のワット数を一般に機械的に足すべきではありません。「本数が少ないほど速い」とも限りません。
空力ボトルなら下管の結果も変わる
Jessica 氏の下管に付けた 440 ml Giant AeroVault は 40 km/h で +1.1 W、30 km/h で +0.5 W。同位置の普通の 500 ml 丸ボトルは +5.0 W と +2.1 W でした。AeroVault は Giant Trinity 向けで、その車両では影響がさらに小さい場合があると元記事は説明します。位置名だけで「下管は遅い」とは言えません。

ストローの露出を確認する
750 ml Pro AeroFuel BTA システムは Jessica 氏で 40 km/h 時 +1.8 W、30 km/h 時 +0.8 W でした。別の以前のライダーでは、長く露出したストローで最大 3.5 W の不利があったと AeroCoach は報告しています。これは Jessica 氏のストローだけを測った値ではありません。飲みやすさを保ち、不要な露出を減らすのが実用的です。

二つの試験をどう読むか
2026 年は Cannondale SystemSix の 45 km/h における風洞・ベロドローム試験、2020 年は Jessica 氏の Canyon Speedmax を使った 40/30 km/h のベロドローム試験です。ワット数を直接比較したり、全トライアスロン車に共通する最速位置を決めたりはできません。
両試験から得られる実用的な順番は、まず必要な水分と補給、確実な固定、取りやすさを確保すること。維持できる姿勢を守り、自分のボトル形状とフレームや身体周囲の気流を比較すること。最後にボトル、ストロー、取付部品をすべて含むレース仕様を試すことです。2026 年の二本差には取付高さの変化も含まれます。2020 年の小型二本の推定 +1.9 W は別々の結果の和で、二本同時の再試験ではありません。いずれも万人向けの製品性能ではありません。
参考資料
AeroCoach「Road bike aero bottle testing」(2026)、Cannondale SystemSix の風洞・ベロドローム試験:
https://aero-coach.co.uk/road-bike-aero-bottle-testing ↗
AeroCoach「Water bottle aero testing」(2020)、Jessica Rhodes-Jones 氏の TT 車ベロドローム試験: