RSTRI サドル後方の補給システム装着例

BTSボトルはなぜ空力的に有利になり得るのか?ライダー後方のウェイクを理解する

第2回 · 位置が重要な理由

RSTRI サドル専用リアハイドレーションの装着例。写真:RSTRI。

サドル後方のボトルはライダーの後流に入る場合があります。ただし高さ、角度、身体からの距離で受ける気流は変わります。BTS の名だけで速さは決まりません。

補給位置シリーズの第2回です。第1回では AeroCoach の試験を基に置き場所を比べました。今回は BTS(behind the saddle、サドル後方)がなぜ機能し得るか、同じ BTS でもなぜ結果が変わるかを考えます。

第1回|ボトルはどこに置くべきか?

https://www.rstri.cn/ja/tech/triathlon-bottle-placement-bta-frame-bts ↗

「サドル後方」は一つの位置ではない

二つの BTS マウントでも、ボトルの高さ、角度、ライダーからの前後距離は異なります。サドルと骨盤の相対位置も影響します。空気抵抗はマウントの分類ではなく、ライダーとバイクを合わせた構成に生じます。

ライダーの後流

走行するライダーの背中、腰、サドルの後方では空気が乱されます。その領域にあるボトルは、ダウンチューブで比較的整った流れに当たるボトルとは違う環境に置かれます。後方ボトルの抵抗増が小さい場合の説明にはなりますが、「乱れた空気なら抵抗はゼロ」でも「ボトルを足せば必ず速い」でもありません。

TRI247 が紹介した考え方

TRI247 は、ボトル位置を CFD で検討した元 Specialized の空力技術者 Ingmar Jungnickel 氏の解釈を紹介しています。湾曲した背中から流れが下向きに離れるとき、サドルに近く比較的水平なボトルが、スポイラーのように流れの離れ方へ影響する可能性があるというものです。これは特定条件に関する機構の解釈であり、RSTRI の実測値でも、ボトル追加で必ず抵抗が減るという約束でもありません。TRI247 で紹介される Quintana Roo の Brad DeVaney 氏も、適切な角度は姿勢と体格次第だと説明しています。

距離が変わると条件も変わる

身体のすぐ後ろに収めたボトルは後流の中にあり得ます。一方、後方へ離すと、より速く乱れの少ない流れにさらされる部分が増える可能性があります。ライダーとボトルの間に大きな空間ができる場合も同様です。実際の着座位置と姿勢を見ずに、取り付け金具の名称だけで評価することはできません。出典には万人に共通する正確な距離は示されていません。

高さと角度

高い、あるいは急角度のボトルは、身体に隠れた領域から出やすくなります。ただし「水平なら常に最速」とは言えません。背中の角度、サドルレール、ケージ、ボトルの大きさと取りやすさが関係します。個々のライダーに合ったコンパクトで実用的な配置を考え、速さはその構成で検証する必要があります。

サドル近くと後方に離れたボトル位置の側面模式図
RSTRI 制作の模式図。A はサドルに近い位置、B はより後方の位置。CFD の測定結果ではありません。
RSTRI サドル後方の補給システム装着例
RSTRI サドル専用リアハイドレーションの装着例。写真:RSTRI。

一本と二本

二本なら携行量は増えますが、後部の幅、投影面積、マウントへの荷重も変わります。ボトル同士の気流への影響や保持力も考慮が必要です。AeroCoach の 2020 年試験は特定ライダーの構成を測ったもので、すべての BTS で一本と二本のどちらが速いかを決めるものではありません。レース距離と補給条件から必要量を先に決めましょう。

実走では保持力も重要

後方のシステムには、路面振動でもボトルを保持し、安全に取り出せ、サドルレールと干渉しないことが求められます。ボトルが飛び出したり、飲むたびに安定した姿勢を大きく崩したりするなら、理論上の利点は役立ちません。ケージの保持力、クリアランス、固定状態を確認してください。

RSTRI との関係

RSTRI のトライアスロンサドル専用リアハイドレーションシステムは、単一の汎用ブラケットではなく、サドルごとの取付空間を起点に設計しています。対応するサドルに応じ、一本、縦型二本、左右並列二本の構成を採用します。コンパクトな配置は設計方針であり、ワット削減を実測した証明ではありません。注文前にサドルの型式と対応仕様を確認してください。写真は装着例で、全サドルへの適合保証ではありません。

問うべきこと

「BTS は速いか」だけでなく、「このライダーの後流のどこにボトルがあり、レースで確実に使えるか」を確認することが重要です。候補となる配置は、実際の人とバイクの組み合わせで検証してください。

出典・参考資料

TRI247 — What's the most aero way to carry water on your triathlon bike?(Jungnickel 氏と DeVaney 氏の見解):

https://www.tri247.com/triathlon-gear/bike-gear/most-aero-triathlon-water-bottles-placement-storage ↗

AeroCoach — Water bottle aero testing(背景となる原試験):

https://www.aero-coach.co.uk/water-bottle-testing ↗

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